やはり生きていた、自殺サイト管理人

 その後も様子を見つづけていた、ある自殺サイトに異変がおきた。
 掲示板のログの一部が消去されていた。
 他の人から言われて気づくと、プロフィールの生年月日では
 1986年生まれと書かれている。
 1986年にうまれた20歳なんてどこにいるものか。
 妙小寺でみた数え年か何かですか。
 予告日は3月14日、サイトのおかれている無料スペースの規約によると
 一ヶ月以上更新のないサイトは自動的に削除されることになっている。
 もちろん、ちょうど一ヶ月ではなく、事前に警告メールが届き
 数日の後に ID 抹消となる仕様となっている。


 どうして、未だにアクセス可能なのか、そして掲示板のログはすべてではなく
 なぜ、一部が削除されたのか、誰が何のために。
 それができる人間は、アドミニストレーター権限をもったユーザー、ただひとり。
 それは、君だ。
 私とフランシスカが予告日前日、夜通し話したあの会話は夢だったとでもいうのか。
 そんな莫迦なことがあるか、そんな莫迦な話があるものか。
 やはり君は生きていたのではないか。
 君は悪くない、悪いのは私たちだ、今なら罪は償える。
 生きてさえいてくれたなら、いくらだって許すことだってできる。
 罪を憎んで、人を憎まず、君に天罰下します。


 さあ、話しをしようじゃないか。
 君の本当の誕生日を祝うために。