ダメだ

 好きな人を傷つけて壊してしまうことしか
 けっきょく僕にはできないらしいんだ。
 どんなに苦しい思いをいているんだろう。
 どんな辛い思いをさせてしまっていたんだろう。
 胸が苦しくてしょうがない。
 いっそ僕なんかいなくなってしまったほうがいい。
 いなくなれ、いなくなれ、いなくなれ。
 いなく……なれるのか、僕は。
 そんなの誰もいないのと一緒だ。
 だってそこには僕はいないんだから。
 死んでいるのと同じだ。
 だけど、僕がいると人の心を騒ぎ立ててしまう。
 ああ、どうしたらいいんだろう。
 何もわからない。
 いっそすべてを放棄してしまいたい。
 何もできないし、もう何もする気力もない。
 不安が僕を支配する。
 破壊してしまいたい。
 焦燥の夜。


 ここで助けてと叫んだところで
 誰も助けてくれないし、助けようがない。
 自分でどうにかするしかない。
 きっと僕は考え方がおかしい、感じ方が異常だ。
 性格を矯正できないものか。
 催眠にでもかけてもらって
 別人格にでもしてほしい。
 人を傷つけない、優しい人に。
 もうこんな僕なんて限界だ。
 終わりにしたい。
 ああ、もう嫌だ。
 うんざりする。
 自己嫌悪だ。
 夜景いでも飲み込まれてしまいたい。


 ああ、なんで俺生きてるんだろ。
 こんなに人に迷惑をかけて傷つけてまで。
 百害あって一利なしなのに。
 それなのに、どうして自分を殺すことができないんだろう。
 臆病だ、卑怯だ、最悪だ。
 みんな僕にいなくなってほしいみたいなんだ。
 僕がいてはいけないんだ、邪魔なんだよ。
 もうどうすることもできやしないんだ。


 せめて僕ひとりの命とひきかえに誰かを幸せにはできないの ?
 もうダメだ、僕は……