水戸を目指す、往復 307 km の旅

 水戸芸術館展示中のメガスターIIミネルヴァを見に行くには
 どうせだったら 18 段ギアの蒼いクロスバイクイージーライダーで行ってみたいと
 前々から考えていて、ついに決行してきました。


 まずは参考にしようと路線検索を自宅最寄駅から水戸駅までしたところ
 距離が 152.7 km 、予測時間は 3 時間 21 分でした。
 いったん秋葉原まで行って緑川えみさんの路上ライブをみたあとに
 出発するつもりでしたので
 秋葉原から水戸までの路線検索もおこなってみました。
 距離が 116.9 km、予測時間は 2 時間 18 分でした。
 これまでの経験上、だいたい 5 km を 15 分、20 km を 1 時間で走っているので
 単純計算で 115 km の場合は 5 時間 15 分という予想がつきました。
 休憩したり、体力的な面、所々より道することを考えると
 もっとかかることが必然的に予想されました。
 今までは一日の最高距離でも 5 月 30 日の江ノ島往復の 165.89 km でしたので、
 今回はいっきにその倍という、未知の領域に挑戦することになります。
 さらに 20 時 30 分からのアキバ式化学反応の路上実験ライブに
 間に合うように水戸から東京へ戻ってきたいという目標がありました。
 さて、長い道のり、メガスターIIミネルヴァを見て秋葉原まで
 時間どおりに戻ってくることができるでしょうか。


 秋葉原で路上ライブを見た後、一緒にみた方々とお話しなどをして
 実際には上野から午前 1 時ごろにスタートをすることになりました。
 まずは国道 6 号線、水戸街道を目指して浅草へ向かいます。
 水戸街道にさえでてしまえば、後はほぼ一本道で水戸まで向かえます。
 途中の環状七号線までは、応援にともう一台の銀のイージーライダー
 一緒に走ってくれました。
 そこからは自転車一人旅です。
 北松戸付近までは下り坂が多く、速度も速く 35 km / h 〜 40 km / h で
 いっきに滑走することができました。
 帰りはそのぶん、減速が予想されます。
 いったん北松戸駅で休憩。おなかがすいたので、
 コンビニで肉まんとマックスコーヒーを買いました。
 茨城県にはいったとたん、どこからともなくフルーティな良い香がしました。
 国道沿いとはいえ、空気も東京とは違っておいしく感じられて
 土壌から豊かにしみだすような香に、やさしさを感じました。
 牛久駅からは、ほとんど信号がなく、土浦バイパスに入ると数キロ先まで
 まったく信号がなく、停車せずに快速走行が行えて快適でした。
 恋瀬橋ロードパークまでつくと、お腹がすいていたりトイレにもよりたかったので
 持参したお弁当を食べて、休憩する事にしました。
 大きな屋根の下には椅子とテーブルがあって、ちょっと離れたところにトイレがありました。
 駐車場には何台かトラックが止まっています。
 ここまでで、121.14 km。
 体力的にはまだもつようで、疲労感は少なかったですが
 ちょっと眠気があったので、イージーライダーに鍵をかけて仮眠をとりました。
 1 時間ほど休憩して、さらに走り出します。
 美野里にはいると、道の脇に花が植えられていました。
 ときどきみる看板には「花の里・美野里」というように書かれていて
 ひょっとしたら、この道は日本の道 100 選に選ばれているのではないか
 と思うほど感じが良かったです。
 しばらく走ると美野里ロードパークについたので、小休憩をとりました。
 なぜかかえるの像があったので、思わず写真をいちまい撮りました。
 またしばらく走っていると、今度は道の駅・はにわの里につきました。
 おみやげ屋さんがあったので、ちょっと入って見ると
 店内にはやはりはにわがありました。
 水戸まであと 15 km 。いっきに走ります。
 やがて県道 50 号(通称、旧 6 号)の分岐を曲がり、
 ちょっと走ると、「ようこそ水戸へ」の看板がありました。
 歓迎がうれしかったので、記念写真を撮りました。
 水戸市入りすると、それまでずっとパイパスを走行していたので
 田園風景であるとか、ほとんど道しかないような状態でしたが
 50 号沿いは市街地となっていて、ようやく人里まで来たんだと
 安心感がありました。
 遠くのほうには、なにやら大きな建物がみえたので
 きっと駅ビルか何かだろうと思って走り進みました。
 すると、それは駅ではなく茨城県庁でした。
 他に高い建物がなかったので、県庁はひときわ大きく
 ランドマーク的に感じました。
 展望台があるようなので、登って水戸市内を眺めてみました。
 高い場所から街並みを見下ろすのは、感慨深いものがあります。
 あと少し、もうちょっとで目的地までたどり着けます。
 そして水戸駅南口へ出たので、お昼をとることにしました。
 金龍菜館の水戸藩らーめんを食べる事にしました。
 なんでも日本で最初にラーメンを食べたのは黄門さまで
 時は元禄 10 年(1679 年)のことだったそうです。
 それを再現した味は、他のラーメンとは違った特別なものなのに思いました。
 そして、ゴールの水戸芸術館へたどり着き、メガスターIIミネルヴァ鑑賞をしました。
 片道 164.61 km、時間にして 13 時間 15 分、長い道のりでした。


 ゴールにたどり着いたものは良いものの、自転車旅はここからが折り返し地点です。
 しかも、20 時 30 分までに秋葉原に到着したいという当初の目標がありましたが
 すでに時間は 16 時をすぎていました。
 4 時間で約 110 km を走りきらなければいけない計算になります。
 そのためには 35 km / h 巡航しかない、ということになりますが
 さすがに現実的には厳しい数字です。
 けれどあきらめたらそこで終わり、路上ライブ終了までになんとか間に合わせるため
 全速力で駆けぬけることにしました。
 せめて 1 曲でいい、歌声がききたくて力いっぱいクランクを回しました。
 水戸行きの時には、目に飛び込んでくるものすべてがめずらしくて
 わりとゆっくり走っていたものが、東京帰りは矢のようにして
 高速走行をします。
 スピードメーターをみると最高時速は 51.7 km / h に達し、
 35 km / h 以上の速度で走行していることも多かったです。
 我孫子付近までくると、肩がはってきたため、6 号沿いの吉野家にて
 燃料補給と休憩をしました。
 秋葉原についたのが 21 時 58 分。
 路上ライブを見るのは絶望的かと思いましたが、CLUB SEGA の向かいには
 人だかりがあり、いつも見に来ている人たちがいて
 なんとか最終曲を聞くことができました。
 出発時に緑川えみさんの路上ライブを一緒にみた人たちがいて
 あの後水戸まで行って帰ってきたことを報告しました。
 良い旅ができました。
 そして秋葉原から自宅までは約 35 km あります。
 秋葉原までは目標があったので、がんばって走りきれましたが
 さすがに体力が落ちていて、帰りはスピードも 15 km / h 程度しか出せず
 肩のはりを感じたりしたので、途中で何度か休みました。
 ひょっとしたら、水戸から秋葉原までの 110 km よりも
 秋葉原から自宅までの 35 km のほうがつらかったかもしれません。
 コース的にも遠いものを選んでしまったらしく実際には 43.8 km ありました。
 最後の最後が厳しかったですが、なんとか無事に東京〜水戸往復の旅を
 終える事ができました。
 走行記録をまとめると……
 水戸行きで、上野からかかった時間は 13 時間 15 分。走行距離は 126.01 km でした。
 上野帰りで、水戸からかかった時間は 5 時間 47 分。走行距離は 107.05 km でした。
 行きの寄り道は、距離 18.96 km、7 時間 28 分 あったということになります。
 行きの速度はだいたい 20 km / h くらいで進んでいましたが
 帰りは大急ぎだったので 30 km / h くらいで進んでいました。
 この日の最高時速としては 51.7 km / h を叩き出すという
 長距離、ハイスピードの旅でした。
 これまでイージーライダーに乗ってきた中でも、きょうの 307.11 km は最長で
 現時点での今月積算距離 876.16 km の約 1 / 3 という長距離でした。
 イージーライダーに乗り始めた 4 月時点からの累計距離は 4782.55 km で
 それでみても、きょうだけで 1 /15 という驚異的な距離を走ったことになります。
 それもこれも、メガスターIIミネルヴァをつくった大平貴之さんや
 展示をおこなっている水戸芸術館のスタッフの方々に、
 アキバ式化学反応の方々、いつも路上実験ライブをみて
 お話しをしたりしている人達、途中まで見送ってくれた
 もう一台のイージーライダーに乗っている人のおかげだったと思います。
 おかげさまで、こんなにも素敵な思い出ができました。
 そして、これを読んで頂いているあなたに
 ありがとうございました。