謎の見舞い

 安静にすると約束していたので
 秋葉原にも寄らず、アキバ式化学反応のライブも見ずに
 今日の某さんネタ収集もせず、コスプレ喫茶にも行かず
 本屋にもゲーセンにも、広尾の某レストランでの会食も取りやめてもらい
 キディーランドでにゃんにゃんにゃんこにニャーと言われるのもあきらめて
 大好きなサンマルクカフェのチョコクロも食べずに
 途中某カメラ屋で「疲れたおじさんみたいにはさせないんだから」というような
 歌詞の歌を聴いて、女版関白宣言の現代版なのかしらと思いつつ
 ひたすら一身不乱に一指乱れず仕事から帰る(ワンセンテンスが長すぎるのはバカ印)。
 家につくと、朝見た覚えのないセブンイレブンとオリンピッグの袋があって驚いた。
 中身を見ると、キーマカレーケロッケ弁当と麦茶に牛乳、それからショートケーキと
 薬とマクドナルドのハンバーガー 30 個……がおいてあった。
 なぜこんなものがあるのかとまどい、妄想でもして好意的解釈をすることにした。
 一瞬にして中学生くらいの女の子の姿が僕の目の前に浮かぶ。
 その小倉優子似の女の子が「ポケたんが怪我しただなんて、あたしたえられないのナノ。
 せめてお見舞いだけでも……」とか言って、きっと食べ物をおいていったのだろう。
 ああ、知らず知らずのうちに惚れさせてしまうだんて、罪作りな僕。
 とかせっかく妄想にふけっていたら、置手紙があるのに気づいて読んでみた。
 手紙には丸文字でこう書かれていた。
 「来たにょ、見舞い。マックとケーキとムギティーよろしく。
  ついでにクスリ? いらんかったらいーです。そんだけ。
  PS.べんとーと牛乳はマミーから(爆)
    たま×2 ブッキングした。フシギちゃん」
 僕の素敵妄想はぶち壊されてしまった。
 どうやら母と妹がおいていったものらしい。
 なにがフシギちゃんだ。
 まったくなんでハンバーガー 30 個買ってきたんだか。
 あと 70 個もたりないじゃないか。
 大量のハンバーガーを食べていたら、涙がちょっとでてきた。