ふと、自殺防止センターを思い出して
 ネットで自殺志願者のサイトを検索した。
 交通事故死をする人よりも、
 自殺してしまう人のほうが多いのだそうだ。
 年間 3 万人が自らの命を絶つ。


 「なあ、カズヤ、そっちの世界はどんなだい ?」
 「人は誰だって悩みを抱えていて、明るく振舞っている人ほど
  大きな悩みをかかえていたりする」
 「悩みっぱなしで、時には見たくないものまで見てしまう。
  でも、それが生きてるってことなのかな」
 「なあ、カズヤ、お前はどんな悩みを抱えていたんだい ?」


 自殺者志願者にとって心中は、幻想の罠だ。
 以前渋谷のスタジオに死体写真集を持って来た人がいた。
 僕が死について語った時、一緒に死んでくれるという人がいて驚いた。
 太宰治は次々道づれをつくっては、自分だけ生き残ってしまったようだ。
 僕は一緒に逝けるのだろうか。