杉並区立科学館へ講演会・天文の夕べ
 「コンピューターで可視化する太陽系」を受講しにいってきました。
 講師は理化学研究所研究員の高幣俊之さんでした。


 まずは、プラネタリウムの投影がありました。
 ドームは川崎市青少年科学館より狭く、椅子の配置も一方向に向かっているので
 前に座れば座るほど、見上げる角度が厳しい設計になっていたようでした。
 投影機は五島製のものなのでした。
 メガスターII を見なれてしまっているので、従来型のプラネタリウムは暗くてぼんやりと星が見える程度で、鑑賞する美しさとしては驚くものがありません。
 投影のアナウンスで「今回は一般の大人向けです」と子供向けのものとは異なることをことわっていました。
 その時、僕は「あ、ヲタは出て行けという意味なんだ……orz」と心の中で一瞬思ってしまいました。
 ひととり星座解説が終わり、投影も終了となりました。
 いよいよ、講演会が本番となります。


 講演会の内容は実際の所、プラネタリウムソフト
 「太陽系シミュレーター」と「UNIVERSE」を使うと、こういうことができる
 というような内容を高幣さんがパワーポイントのスライドや
 実際のソフトウェアを使って解説されていました。
 はっきりいって、すごいソフトです。
 ニーズにあわせて、いろいろバージョンを用意して販売しているとのことですが
 ベースとなるものは無料にてダウンロードが行えるとのことです。
 プレイステーションのコントローラーやマウスなんかを使って
 操作が行えたり、立体空間を自由自在に操って
 例えば火星から星空を眺めてみたり、冥王星の起動を確認したり
 今話題の木星探査衛星カッシーニが金星をスイングバイする様子をみたり
 様々なことが行え、太陽系の様子を手に取るように知る事ができます。


 「UNIVERSE」は銀河の様子なんかを知る事ができて
 もっと広大なエリアを見ることができます。
 こちらは英語表記でした。
 メガスターと同じくヒッパルコス衛星のデータを基にしているため
 現在の観測データの中でも非常に精密なものとなっています。
 とはいえ、遠い星に関してはまだよくわかっていないため
 星の位置など誤差もふくんでいますが、
 それもここからここまでの範囲にあるのではないか、
 という仮説のもとに配置されているようです。


 質問の時間が用意されていて、熟年の方が UNIVERSE なんかで
 ブラックホールの中を見に行くというような
 人間では見えない第三天文学的な使い方はどうかなど質問していたり
 見にくる人たちも、そうとう宇宙に対して興味をもっている人が
 いらっしゃるようでした。


 講演が終了してから、高幣さんとお話しさせていただいて
 たとえば、太陽系シミュレーターとメガスターをリンクしてみる
 という見せ方なんかはどうだとか、あれこれ聞いてみたら
 まだ 29 歳と非常に若い方だったので驚きました。
 オールスカイプログラムだとか全天周映像のことを
 高幣さんと話しこんでいたら、解説員の方がそういうことを
 やりたいみたいなことを言い出して、一台のプロジェクターでも
 ここまでできるという例えで、子供向けの番組を見せてくれました。
 プロジェクター一台にしては写せる面積が広くて
 3 台程度あれば、杉並区立科学館でもオールスカイプログラム
 のようなものができるかもしれないとおっしゃられていました。


 最初に「一般の大人の方向け」という忠告を無視する感じで
 やはりヲタ的な話しをしてしまった僕は……
 生まれてきて、すみません。


 非常に面白かったです。
 また高幣さんにお会いしたり、お話しする機会などあれば
 いろいろ教えてもらいたいことがたくさんあります。
 本当にありがとうございました。