小池かなさんの「走れ歌謡曲」というラジオを聴いていたら
長渕剛さんの「とんぼ」が流れていました。


聴いたとたん、あの人を思い出しました。
あの頃……
たぶんもう過ぎたことなのかもしれない。
けれど、こんなことで記憶が呼び覚まされるとは。
きっと僕の中でもまだ終わっていないのだと思う。
あの人は今、泣いていないだろうか……
切なくて、胸がつぶれそうになる。
思えばあれから僕は、死んでいるのと同じだ。
生きていても、その実感のようなものがない。
たださまようばかりで、どこか現実味がない。
どこにいても、誰といても、何をしていても
心の底では、あの人を探している。
長い髪の人とすれ違うたび、ふりかえってしまう。
いつかまた僕らは巡りあうのかもしれないし
もうそれもないのかもしれない。
もしまた逢えたら僕はどんな男にうつるだろう。
泣き虫で、ダサくて、見栄っ張りで、嘘つきで……
すべてを捨てたつもりでも、
記憶だけが呪いのように、僕に刻みつけられている。
僕は……


今夜も僕は眠れない。