写真は面白いですね。
僕に写真の何がわかるというわけではないのですが
撮るのが好きだし、撮ってもらえたらうれしいです。
僕も以前は写真嫌いでした。
醜くて情けないばかりの自分の姿が残るのがすごく嫌で
写真をさけてきました。
所属していた事務所の宣伝材料に写真が必要だといわれて
なんで声だけじゃダメなのかとマネージャーに聞いたりしました。
どうしても必要だというので困り果てて撮ってもらって
後日、その写真を見せてもいました。
鏡でみるのとは違う自分がいました。
カメラマンさんに「笑って」と言われる前のものと後のもの
ぜんぜん表情に違いはみられませんでした。
写真展に行く機会があって、壁に貼り付けられた風景や
動物、植物、人物なんかの写真をみせてもらっては
まるで絵のように絶妙なバランスに心をうたれました。
あー、こんな写真をいつか僕も撮ってみたい。
だけど僕にはカメラなんて高級なものを買えるだけの
お金なんかもっていませんでした。
だから絵を描きました。
イベントに出展してみると、見ず知らずの方が
僕の絵を買ってくれたり、スケッチブックを持参された方に
何か描いて欲しいと頼まれたり、
隣の出展者の方まで売ってほしいと言ってくれました。
仲間と日光まで旅行にいって、インスタントのカメラの前で
ポーズをみんなでとってみたり、僕もシャッターを切ってみました。
現像された写真の中に楽しかった時間がつまっていて
そこには大切な人がいて、大切な場所があって、大切な時間がありました。
あの人はこんな表情をするんだ、僕はこんなふうに写るんだ
と、写真をみては物思いにふけりました。
そんな僕に今は、写真をとってほしいとメールを送ってくれる人がいて
街を歩いていると、どうしても撮りたいと思うような人がいたり
感動的な光景を切りとっておきたくて
カメラがほしいです。
だけど、僕にはカメラは高すぎて、まだまだ持つことができないようです。
ああ、美しいものをありのままに美しく残したい。
その美しさを伝えられるようになりたい。
こんな僕に撮ってほしいと言ってくれる人を
せめて、綺麗に写してあげたい。
僕は……