THATER BRATS へ劇団・竜星群の第 6 回公演、
 原作オラゴン謙司マグマによる
 「自殺防止センター」を視察に観劇してきました。
 

 年間 3 万ににもおよぶ自殺という深刻なテーマを
 自殺志願者の感情、それを防止したい杉浦ダイスケの気持ちを、
 時にコミカルに、時にシリアスに描いた傑作となっていました。


 まあ、ツッコミどころといえばノゾミ役の関野あゆみさんの演技は
 広末涼子さんのマネっこだし、脚本や選出は野島さんのテレビドラマ
 「世紀末の詩」の技法を流用していたり
 探せばもっとアレレと思うことは多いと思いますが
 お芝居としては及第点だったのではないでしょうか。
 とても面白かったです。


 劇中の解説的なセリフをきくと、なんでも交通事故で
 死亡されてしまう方は年間 1 万 5 千人に対して
 自殺者は 3 万人にも達するという社会の風刺的なものを
 起因としていて、人はなぜ自ら死を選ぶのか
 それも「これでやっと死ねる」と、死ぬことが幸せで
 あるかのように亡くなっていってしまうのかという
 問いかけのようなもの、本当はみんな死にたかったのではなく
 生きたかったのではないかという結論が出されていました。


 杉浦ダイスケの友達カズヤが自らの頭を銃で打ち抜いて倒れる様が目に焼きついてしまいました。
 そして共に死のうとた杉浦ダイスケ、自分の頭に銃をつきつけて
 引き金をひこうとしても、引けなかったエピソードは悲しくて切なくて
 一緒に死のうと約束したのに、死ねなくて、生きたくて、カズヤにも生きてほしかった、それを、命よりも大切なものを失ってしまった、あの光景は忘れることができません。


 芝居は良いね。